むかしばなし






 かつて妖精、竜、人間、魔族 の4種族は協力し、共に暮らしていた。しかし時がたつにつれ種族の間に争いがおこり、 4つの種族の間には大きな溝が生まれたという。
 そうして、妖精たちは森の奥に身を潜め、竜たちは険しい山の奥に姿を消したといわれている。 平地に残った2種族のうち、人間は集落をつくり文明を築き、 魔族は人間たちがあまり来る事のない草原や山脈などに住みついた。
 そして4つの種族は小さな争いを起こしつつもお互いにあまり干渉することなく長い時をすごしてきた。


 しかしある時、魔族の王を名乗るものが現れ、世界を我が物にしようとした。 その者の名をゾーマという。魔族たちはゾーマに従い町や村を攻め、人々を殺し、 森を焼き、妖精たちを襲った。
 人々は、ゾーマ討伐のため数多の戦士を送ったが、その試みはことごとく失敗に終わった。
 人間や妖精が絶望しあきらめかけたその時、険しい山の向こうから竜の中でも強い力を持ったもが、 空の彼方から神や精霊が現れて、魔族たちと戦った。
 やがて神々はゾーマを追い詰め、大地の精霊ルビスが創造した、異世界―アレフガルド―へと封じ込めた。
 大地の精霊ルビスはこの世界とアレフガルドとをつなぐ大穴―ギアガの大穴―を造り、 その大穴から一部の人間や妖精をアレフガルドに住まわせ、ゾーマの監視を命じ、 自らも創造主としてその地に住みついたと云われている。
 ゾーマが封印されると、魔族たちは他の種族を襲うことがなくなり、 やがて草原や山脈へと戻っていった。
 そうして、この地に再び平和な時が訪れた。


 しかし、長い時が過ぎ、この伝説を語るものが、ほとんどいなくなった頃、 ギアガの大穴より、新たに魔族の王が現れた。
 新たな魔族の王は自ら魔王バラモスと名乗り、バラモスの出現によって、 魔族たちは再び他の種族を襲うようになった。
 しかしバラモス自身は人々の前に姿を現すわけではなく、世界のどこかに身を潜め、 魔族に指示だけを与えていたので、人々は魔王の存在を知り脅威に身を寄せ合いながらも、 脅威のもととされる魔王自身の姿を見たものはいなかった。


 魔王バラモスが現れ、数年がたった時、ギアガの大穴より精霊ルビスよりつかわされた1人の勇者が現れたという。
 アレフガルドより現れた勇者は妖精の賢者、竜族の皇子、人間の少年と協力して、バラモス討伐の旅に出たという。
 4人は各地を転々とし、その地で脅威となっている魔物を倒しながら、魔王を探し旅を続け、 とうとう魔王にたどり着いたと言う。
 しかし魔王バラモスの力は強大で、逆に勇者たちは絶体絶命の危機におちいった。
 おいつめられたその時、勇者は、精霊ルビスより授かった力をつかって魔王バラモスを封印した。 後の世に魔王を討つほどの力のあるものがいると信じて。
 こうして世界に平和が戻ったが、勇者たちは魔王封印と同時に姿を消したという。


 そして、時が過ぎ、魔王を封印した4人はいつしか古の勇者と呼ばれるようになっていた。


 古の勇者が魔王を封印してから300年の時がすぎた。魔王によって封印が破られた時、 新たな伝説が、始まった。




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